【業界激論対談】AI時代の動画制作現場|ベテラン営業×デジタル世代ディレクターが語る「5年後の生き残り戦略」

【業界激論対談】AI時代の動画制作現場|ベテラン営業×デジタル世代ディレクターが語る「5年後の生き残り戦略」

対談者プロフィール

田中 雅人(仮名)|52歳|広告代理店営業部長

  • 業界歴28年、大手代理店で数々の大型案件を手がける
  • アナログ時代からデジタル移行期を現場で体験
  • 年間売上責任者として予算削減の嵐を乗り切ってきた営業のプロ
  • 「人と人との関係性こそが営業の本質」が信条

佐藤 美咲(仮名)|29歳|映像制作ディレクター

  • 業界歴7年、デジタルネイティブ世代の制作現場リーダー
  • AI技術を積極活用し、制作効率化の先駆者
  • SNS時代の動画トレンドを熟知
  • 「テクノロジーで創造性を拡張する」がモットー

第1部:AI時代の制作現場|変わるもの、変わらないもの

司会:まず、AI技術の進歩が制作現場に与えている影響について、お二人の率直な意見をお聞かせください。

佐藤:正直、もう後戻りできないレベルまで来てますね。去年までは「AIは補助ツール」程度の認識でしたが、今は制作プロセスの中核になってる。特に企画段階での活用は革命的です。

田中:そうは言っても佐藤さん、クライアントが求めているのは結局「人の温かみ」じゃないですか?AIが作った動画と、人が心を込めて作った動画、どっちに心を動かされるかって話ですよ。

佐藤:でも田中部長、それって先入観かもしれませんよ。実際にクライアントに見せると、AI活用した動画の方が反応良いケースが増えてるんです。特にデータドリブンな企画提案ができるようになって、説得力が全然違う。

田中:…確かに、最近の若いクライアントは数字で判断することが多いな。でも、俺たちの世代が培ってきた「この企業らしさ」を表現する感性は、AIには真似できないでしょう?

佐藤:そこは同感です!でも、その「らしさ」を見つける作業をAIがサポートしてくれるんですよ。過去の成功事例を分析して、クライアント固有のパターンを発見したり。人間の感性とAIの分析力の組み合わせが最強だと思ってます。

田中:なるほど…。実は最近、若い営業メンバーがAIツール使って提案書作ってるの見て、正直焦ったんですよ。2時間で俺が一日かけて作る資料以上のものを作り上げてしまう。

佐藤:でも田中部長の経験で培った「クライアントの本当のニーズを見抜く力」は、AIには絶対真似できませんよね。むしろAIツールを使えば、もっと深い部分でクライアントと向き合えるじゃないですか?

第2部:成功プロジェクトの裏側|本音で語る現場の実情

司会:実際の成功事例をもとに、現場の本音を聞かせてください。最近印象に残ったプロジェクトはありますか?

田中:去年手がけた製造業のブランディング動画案件ですね。当初予算800万円が、コロナの影響で200万円まで削減された。普通なら諦める案件でしょう?

佐藤:あー、あの案件ですね!最初は「無理でしょ」と思いましたけど(笑)

田中:佐藤さんには無茶振りしたよな(笑)。でも、クライアントの担当者が本当に困ってて。新製品の売上が前年比30%減、上層部からは「なんとかしろ」のプレッシャー。俺としては何とかしてあげたかった。

佐藤:でも結果的に、制約があったからこそ良いものができたと思うんです。豪華な撮影はできないから、工場の職人さんにフォーカスして。AIで過去のヒット動画の要素を分析して、「職人の手元のクローズアップが感情に訴える」というデータを活用して。

田中:あの時のクライアントの反応は忘れられないな。「予算は4分の1になったのに、過去最高の動画ができた」って涙ぐんでた。

佐藤:実は制作サイドとしても、あの案件で「制約こそ創造性の源」だと実感しました。AI分析で「職人の技術への憧れ」が視聴者の潜在ニーズだと分かって、そこに集中できた。

田中:でも正直、途中で何度も「やっぱり無理だ」と思いましたよ。特にクライアントの上司から「こんな安い動画で効果あるのか?」って言われた時は…

佐藤:あの時は田中部長が必死にフォローしてくださいましたよね。「価格じゃない、想いだ」って。その説得力があったから、最後まで信じてもらえた。

田中:結局は人と人の信頼関係なんですよ。AIがどんなに進歩しても、最後に「この人になら任せられる」と思ってもらえるかどうか。

佐藤:でも、その信頼を築くためのツールとして、AIは最強だと思います。データに裏付けられた提案をすることで、クライアントも安心できるし、結果も出やすい。

第3部:予算削減時代の生き残り戦略

司会:コロナ以降、多くの企業で予算削減が続いていますが、この状況をどう乗り切っていけばいいでしょうか?

田中:正直、この2年間は地獄でしたね。売上が前年比40%減った月もあった。でも、ピンチはチャンスでもあった。予算が限られているからこそ、本当に価値のある提案しかできない。結果的に、クライアントとの関係はより深くなった。

佐藤:制作現場も同じです。高額な機材や豪華なロケができない分、アイデアと技術で勝負するしかない。AIツールをフル活用して、限られた予算で最大の効果を出す方法を必死に研究しました。

田中:佐藤さんの世代はすごいよ。俺たちが「できない」と諦めるところを、「こうすればできる」って代替案をバンバン出してくる。

佐藤:でも、田中部長の「絶対に諦めない」姿勢があったから、無茶な要求にも応えられたんです。「予算は半分、でも効果は2倍」みたいな(笑)

田中:あの頃は本当に必死だった。既存クライアントは予算削減、新規開拓も難しい。でも、だからこそ「この代理店じゃなきゃダメ」と思ってもらえる関係を築けた。

佐藤:私たちの世代は、最初から厳しい環境で育ってるから、制約の中で創造性を発揮するのが当たり前になってるんです。AI使って効率化して、浮いたコストでクリエイティブに集中する。

田中:なるほど、それが新しい時代の戦い方なのかもしれないな。俺たちの時代は「予算をいかに取るか」だったけど、今は「限られた予算をいかに活かすか」が勝負なんだ。

第4部:世代ギャップと技術活用|営業スタイルの進化

司会:営業手法について、世代間でどのような違いを感じますか?

田中:俺の営業スタイルは完全にアナログですよ。とにかく足を運んで、相手の話を聞いて、信頼関係を築く。データなんて後からついてくるものだと思ってた。

佐藤:でも最近の田中部長、けっこうデジタルツール使いこなしてますよね?Zoomでの提案も上手だし、データを使った説明も増えてる。

田中:コロナで強制的にやらされたからね(笑)。最初は「画面越しで人の心がつかめるか」って半信半疑だったけど、意外といけるもんだなと。

佐藤:私の世代は最初からオンライン前提なんです。でも、田中部長から学んだ「相手の立場に立って考える」という基本は、オンラインでもオフラインでも変わらない。

田中:そうそう。ツールが変わっても、人間の本質は変わらない。相手が何を求めているか、どうすれば喜んでもらえるか。そこを見抜く力が重要。

佐藤:ただ、データ活用は必須になってきてますよね。クライアントも数字で判断することが多いし、AIで分析した結果を見せると、説得力が全然違う。

田中:それは認めざるを得ない。最近、若い営業メンバーがAI分析した競合比較資料を持ってきた時は、正直「参った」と思った。俺の勘と経験よりも、よっぽど説得力があった。

佐藤:でも、その分析結果をどう活かすかは、やっぱり経験と直感が重要ですよね。データは材料であって、料理するのは人間。田中部長の「この数字の裏には、こういう事情があるんじゃないか」という洞察力は、AIには真似できない。

田中:ありがたいことを言ってくれる。でも正直、今の若い営業見てると、俺たちの時代の常識が通用しないことも多い。

佐藤:時代は変わってますからね。でも、「クライアントを成功させたい」という想いは、どの世代も変わらないと思います。手法は進化しても、根本は同じ。

第5部:5年後の業界予測|生き残る企業・人材の条件

司会:では最後に、5年後の動画制作業界がどうなっているか、予測をお聞かせください。

佐藤:技術面では、AIがもっと進化して、企画から編集まで自動化される部分が増えると思います。でも、だからこそ「人間にしかできない価値」を提供できる人が重宝される。

田中:俺は、技術がどんなに進歩しても、最後は「人」だと思ってる。クライアントが本当に困った時に相談できる、信頼できるパートナーかどうか。そこが生き残りの分かれ目。

佐藤:同感です。でも、その信頼を築くためのツールとして、テクノロジーは必須になる。データに基づいた提案、AIを活用した効率化、最新トレンドへの対応。これができない会社は淘汰されると思います。

田中:うちの会社も、ベテランと若手がうまく連携できているから生き残れてる。俺の経験と佐藤さんたちの技術力、それが組み合わさった時の威力は相当なものだよ。

佐藤:5年後は、多分今よりもっと厳しい競争になってると思います。でも、本当にクライアントの役に立てる会社は必ず生き残る。技術も大事だけど、結局は「この人たちと一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるかどうか。

田中:そうだな。俺もあと10年は現役でやるつもりだから、佐藤さんたちの技術を学びながら、自分の経験を活かしていきたい。

佐藤:私も田中部長の営業哲学を学びながら、新しい技術を取り入れていきたいです。世代を超えて、お互いの強みを活かせる関係性が、これからの時代には必要ですよね。

田中:本当にそう思う。一人では限界があるけど、チームになれば無限の可能性がある。AIも大事だけど、最後は人と人のつながりだよ。

対談を終えて|編集部コメント

この対談を通じて見えてきたのは、AI時代であっても、動画制作業界の本質は「人」であるということです。技術は進歩し、ツールは変わっても、クライアントの課題を解決し、成功に導くという使命は変わりません。

ベテラン営業の経験と直感、デジタル世代の技術力と分析力。この両方を兼ね備えた組織こそが、5年後の業界を牽引していくのでしょう。

予算削減、AI技術の進歩、世代交代…様々な変化の中で、真に価値ある仕事をするためには、お互いの強みを理解し、学び合う姿勢が不可欠です。

変化を恐れるのではなく、変化を活かす。そんな柔軟性こそが、これからの時代を生き抜く鍵なのかもしれません。

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